進路アドバイス:学部選択~農学部


 農学部には農学、園芸学、畜産学、農芸化学、農業工学、農業経済学、国際地域開発学、林学、造園学、獣医学、醸造学、昆虫学、生物学など多様な学科が含まれています。学ぶ内容としては作物学や育種学などが中心で、園芸学、昆虫学、植物病理学、農業経営学、土壌学、生物化学などを学び、バイオテクノロジーもここに含まれます。「食」「環境」「生命」「バイオ」などに関心がある人向けの進路と言えるでしょう。

 食品会社、製薬会社、化粧品会社、種苗会社、大規模農家(ファーム)、農業協同組合などの就職に強く、研究職、製造技術職、品質管理職、営業職などで働くケースが多いと言えます。

 ちなみにバイオテクノロジーは第5次産業革命をもたらすと見込まれています。

第1次産業革命(Industry1.0)

 18世紀末以降の水力や蒸気機関による工場の機械化。

第2次産業革命(Industry2.0)

 20世紀初頭の分業に基づく電力を用いた大量生産。

第3次産業革命(Industry3.0)

 1970年代初頭からの電子工学や情報技術を用いた一層のオートメーション化。

第4次産業革命(Industry4.0)

 IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ビッグデータを用いた技術革新。

第5次産業革命(Industry5.0)

 バイオテクノロジーと生物情報を処理する手段としてITやAIが組み合わされることで起こる産業構造のパラダイムシフト。OECDの試算によると、2030年にはバイオテクノロジーを活用する市場規模が、約200兆円にまで拡大すると見込まれています。


【教諭】

 所定の単位を履修することで、中学校・高校の理科・農業などの教員免許を取得することが可能です。


【学芸員】

 学芸員は博物館や美術館、植物園で働く専門職員で、仕事内容は主に資料や作品の収集・保存、調査・研究、展示・公開などです。


【栄養士・管理栄養士】

 栄養士は、栄養学に基づいて栄養バランスの取れた献立を考案し、健康な食生活のアドバイザーとして活躍できる職業です。管理栄養士は栄養士の上級資格で、栄養士の内容に加え、病気を患っている人やケガをしている人に専門的な知識を持って栄養指導や栄養管理を行うことができます。


【食品衛生管理者】


 食品衛生管理者は、食品や添加物を製造・加工する施設で食品の衛生を管理したり、工場スタッフの健康確認などを行なう国家資格で、指定の食品を加工・製造するにあたり、設置を義務づけられています。


【HACCP管理者(ハサップ)】

 2021年から、原則として全ての食品等事業者はHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point、危害要因分析重要管理点)に沿った衛生管理への取り組みが義務化されました。HACCP管理者は主に食品製造現場での品質検査業務に携わり、HACCPシステムに基づいて衛生管理や保守点検を行います。適切な科目を履修すると在学中に取得できる資格であり、就活に有利になるので、食品製造業界志望者には取得することが勧められます。


【獣医師】

 いわゆる動物のお医者さん(臨床獣医師)としては、ペットの診療を行う病院以外にも、牧場や家畜診療所で畜産動物の診療を行い、動物園・水族館や競走馬の厩舎に勤務することもあります。また、空港や港にある検疫所で働く獣医師は、輸出入される畜産物や動物の安全性を監視する国家公務員獣医師です。また、地方公務員獣医師は食品衛生や防疫に携わり、「家畜保健衛生所」「保健所」「衛生研究所」をはじめとした幅広い職域で働いています。


【グリーンアドバイザー】

 花や植物の専門家として植物の育て方や園芸の楽しみ方を伝えられます。年齢、学歴、経験などの制限がなく、誰でも受けられるため、在学中でも取得が目指せます。





Copyright © 「やる気」が出る勉強法研究会 All Rights Reserved